はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の仕事とは?

「自然治癒力」を高め、患部の治療や病気の予防を行う専門家

人間の身体には多くのツボ(経穴)があります。このツボに対して鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて治療することで人間が持つ「自然治癒力」を高め、患部の治療や病気の予防を行う専門家が「はり師」「きゅう師」で、2つの独立した資格ですが、通常2つ同時に教育を受け免許を取得することが多いことから、通称「鍼灸師」と呼ばれています。

あん摩(按摩)は、古代中国で生まれ、奈良時代に日本へ伝わったとされており、東洋医学の考え方における気血や経絡の変調を調整する手技療法で、衣服の上から遠心性(体の中心から手足に向かって)に施術するのが特徴です。マッサージ(Massage)はヨーロッパで発祥し、明治時代に日本へ輸入されました。オイルやパウダーを用いて、求心性(手足から体の中心に向かって)に皮膚を直接刺激していくのが特徴です。主に血液やリンパ液の流れをよくします。指圧は、日本で明治時代末から大正時代にかけ成立。衣服の上から、指や手掌(手のひら)等を用い、体表の一定部位を押します。日本では、業としてこれらの手技療法を行える者を「あん摩マッサージ指圧師」として国家資格に位置付けています。それぞれの手技の効果にはそれぞれ特色がありますが、筋肉内組織の血液循環や血液リンパの還流が良くなり、新陳代謝が盛んになることで生体の機能調節が図られます。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の3つの資格を取得できる養成校も古くからあり、3資格を有する場合「鍼灸マッサージ師」とも呼ばれています。

鍼灸師、マッサージ師への道

免許を取得するためには、厚生労働大臣が認定した養成施設、または文部科学省が認定した特別支援学校において、解剖学、生理学、公衆衛生学などの基礎系科目と東洋医学概論、経絡経穴概論、鍼灸理論、鍼灸実技、あん摩マッサージ指圧理論、あん摩マッサージ指圧実技などの専門科目を履修し国家試験に合格すると、厚生労働大臣免許の「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」となります。
医師や歯科医師と同様に独立開業が可能な医療系資格の一つです。肩こりや腰痛などの治療として知られている鍼灸マッサージですが、運動器系疾患だけではなく、消化器系・呼吸器系・眼科系・婦人科系など、様々な疾患に対する治療の有効性がWHO(世界保健機関)で認められています。病院や鍼灸院・マッサージ院で勤務して働くだけではなく、独立開業のほか、スポーツや美容、福祉分野など多彩な分野で活躍でき、近年活躍の場は広がっています。

経験が重視される仕事であるため、大学や養成校卒業後は施術所などで臨床経験を積み、その後に独立開業するケースが多くなっています。開業後は地域の医療機関や福祉施設と連携して、地域医療を支えています。また、整形外科でのリハビリテーションや、内科・神経内科などの疾患の治療に「鍼灸」を取り入れている病院もあります。他に、プロスポーツチームなどの専属トレーナー、リラクゼーションサロンや美容鍼灸院、レディースクリニックや高齢者介護施設などでも多く活躍しています。

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卒業後の進路

スポーツ分野・美容分野・介護福祉分野・健康分野・医療分野・研究分野

  • スポーツトレーナー
  • スポーツ関連施設
  • 美容・健康関連施設
  • 高齢者・介護関連施設
  • 独立開業
  • 勤務鍼灸師、勤務マッサージ師(施術所、病院、クリニック)
  • 大学院進学

近畿地区の養成校

京都府京都仏眼鍼灸理療専門学校
京都府明治国際医療大学
大阪府大阪行岡医療専門学校長柄校
大阪府明治東洋医学院専門学校
大阪府関西医療学園専門学校
大阪府森ノ宮医療学園専門学校
大阪府履正社国際医療スポーツ専門学校
大阪府大阪医療技術学園専門学校
大阪府大阪ハイテクノロジー専門学校
大阪府東洋医療専門学校
大阪府関西医療大学
大阪府森ノ宮医療大学
兵庫県兵庫鍼灸専門学校