ベビー・小児のケア
皮膚には脳や内臓とつながるセンサーがたくさんあり、
心地よい刺激がお子さまの健やかな成長と発達を促します
小児はり
小児はりは、日本を起源として約1500年の歴史があり、昭和の時代までは関西、特に大阪を中心に盛んに行われていた施術法です。鍼(はり)といえばカラダに刺すイメージがあると思いますが、実際には皮膚に触れるだけの心地良い刺激で様々な効果が期待できます。
子どもは生まれてから12歳までに著しく成長します。特に神経系統は生まれてから5歳頃までに80%の成長を遂げます。
一方、皮膚は多くの刺激や情報を神経系を介して、脳や脊髄に送り、脳や脊髄は内臓に指令を出して、内臓の働きをコントロールします。
皮膚への心地よい刺激は、全身の血流をよくし、カラダをリラックスさせます。リラックスすると情緒が安定し、夜もぐっすり眠るようになります。成長ホルモンも分泌されます。
小児はりは、現代の科学で検証されつつある皮膚上のツボや経絡を刺激し、脳や内臓の働きをよくして、カラダや心の成長・発達を助けます。
例えば
夜泣き、不機嫌、噛みつく、奇声などの小児神経症や、鼻炎、気管支喘息、便秘、下痢、てんかん、脳性麻痺、夜尿症などの病気に対して施術をすることで症状が改善され、よく寝る、よく食べる、ウンチが出るなど、精神的にも安定した状態を保つことができます。
対象年齢
生後1ヶ月から受けられます。小学校高学年くらいまでが小児はりの対象になりますが、中学生以上でも必要に応じて小児はりをすることがあります。
一般的な施術時間
1回の施術時間は、およそ5分までとお考えください。これは、小児は感受性が高いので、短い時間で十分な効果があるからです。また、当然のことながら症状や体質により施術時間は変わります。
施術回数
一般的には、3~5回程度が多いでが、中には続けて10回以上の施術を行う場合もあります。そのような場合も含め、健康のために、毎月定期的な施術をお勧めします。
刺さない小児はりは「安全・安心・心地よい」
子ども達が、伸び伸びとたくましく育つために、是非知って頂きたい施術法です。
(参考:日本小児はり学会 資料)
ベビーマッサージ
ベビーマッサージは、肌と肌のタッチングやふれあいを通じ、心身の安定や健やかな成長を目的にお母さんやご家族が行なうものと、国家資格を持ったマッサージ師が症状別、または健康・疾病予防を目的に施術として行なうものがあります。
パパやママによるベビーマッサージ近年、広く普及してきているのは、お母さんやご家族によるベビーマッサージです。
お母さんの温かい手で触れられ、また楽しく愛情をもってコミュニケーションをとることで、赤ちゃんが情緒豊かで心身ともに安定して成長する効果があります。また、赤ちゃんに寄り添うことで、気持ちを感じ取りやすく、信頼や絆をはぐくみ、心にゆとりをもって育児を行なうことにつながります。
赤ちゃんの体調の変化にも気づきやすくなります。ベビーマッサージの肌に触れる心地よい刺激は、愛情ホルモンといわれている「オキシトシン」の放出促し、赤ちゃんは便秘や夜泣きの解消、脳や身体の発達を促します。お母さん自身も、産後の精神的なストレスやホルモンのバランスが安定する効果があります。
施術として行うマッサージには国家資格が必要
皮膚への軽い刺激で行うことが多いベビーマッサージですが、赤ちゃんの肌は非常に敏感で、また皮膚以外にも筋肉、関節、骨などへの刺激を通じて脳や免疫系にもさまざまな反応が現れます。
そのため、施術としてマッサージを行うためには、解剖学、生理学、運動学、病理学、リハビリテーション医学、心理学などを学び、国家資格を取得したあん摩マッサージ指圧師しか業として行うことができませんので、あらかじめ確認しておきましょう。